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福娘ができるまで

こちらでは、一般的な清酒の製造過程に沿ってその工程をご紹介いたします。


絵に示された工程の解説
(マウスで指した場所の工程を下に解説します。)

工程 作業内容
玄米・精米
 秋に収穫された酒造米は、竪型精米機とよばれる酒造用の精米機で精米されます。 精米歩合、つまりヌカを除いて残った部分の割合は、一般酒で70〜60%、本醸造や純米酒などの特定名称酒では65〜50%、吟醸酒では60〜50%、大吟醸にいたっては40〜35%と高精白の原料が用いられています。
 酒造りに適しているとされる酒造好適米は、◎粒が大きい(大粒である)、◎米の中心部が白い(心白がある)、◎たんぱく質が少なくでんぷん質を多く含むなどの特徴がみられます。代表的な品種に、山田錦・五百万石・雄町・八反・中生新千本などがあります。
玄米 精米度50%

洗米・浸漬
 精米を終えた原料米は、枯らしと呼ばれる期間をへて使用されます。
まず水でよく 洗ってヌカをおとし、浸漬(しんせき)と呼ばれる行程で水を吸わせます。浸漬時間は原料や造り方によってまちまちですが、一般酒では数時間、吟醸酒では数分という所が一般的な時間となっています。この工程での吸水歩合によって、後の良い蒸米の出来栄えが左右されます。

蒸し
 浸漬を終わったお米はいよいよ蒸されるわけですが、その方法は昔ながらの甑(こしき)と呼ばれる蒸籠の大きな様なものから、連続蒸米機と呼ばれるものまで様々な種類があります。当蔵では甑(こしき)を現在でも使用しています。蒸し時間は一般的には40〜60分程度と言われています。この工程では、お米の中のデンプンを麹の作用しやすいα-デンプンに変えるとともに、お米を殺菌します。

麹造り
 蒸しあがったお米はまず麹造りにまわされます。約30度程度に冷却された蒸米に種麹と呼ばれる麹菌の胞子をふりかけ、30度に室温を保たれた「むろ」と呼ばれる部屋の中で約48時間をかけて造られます。
 酒造りの行程の中でも一麹、二元、三造りといわれるように、麹造りは酒造行程の中でも最も大切な行程です。その多くは杜氏をはじめとする、職人の技術によるところが大きいわけですが、その前提となるのが前出の原料処理で、良いお米と適切な浸漬、そして良い蒸米を造ることです。

酒母造り
 麹が出来上がると今度は本仕込に向けて、元(酒母)と呼ばれるものを仕込みます。この酒母は本仕込の1割強の大きさで、主には本仕込に向けての純粋で強い酵母を育てることが目的です。仕込水に麹と蒸米、そして酵母を加えて仕込みます。
 この酵母は、当社に代々伝わる秘伝の酵母というわけにはいきませんが、一般酒では協会6号酵母を、吟醸酒では協会9号系の酵母を使用しています。
 近年新種の酵母の開発競争が激化し、色々な特徴を持った酵母が開発されていますが、流行に流されることなく、信頼できる酵母とじっくりとつき合い、またその酵母に最適の醸造法を行なおうと心がけています。
(協会とは(財)日本醸造協会のことで全国で発見された優良な酵母を製品化して醸造メーカーへ頒布しています。)

本仕込
 出来上がった酒母に順次、蒸米・麹と仕込水を加えて本仕込を行います。通常、初添・中添・留添の3段階に分けて仕込みが行われるので、3段仕込と呼ばれています。
また初添と中添の間に、踊りと呼ばれる休息期間が設けられ、合計4日を掛けて本仕込が行われます。4日間に分けて仕込むことで、お酒の醗酵に必要な酵母菌の増殖が、仕込みによって増えたもろみの量に追いつくことが出来るようになっています。
仕込み終わったもろみは、約20日間で醗酵が終了し、お酒が出来上がります。
発酵中の様子

上槽
 醗酵が終了したお酒のもろみは、純米酒の場合はそのまま、アルコール添加酒の場合、上槽前に30%程度の醸造用アルコールを加えて搾られることになります。
 酒袋と呼ばれる木綿または化繊の袋に適量のもろみを詰めて、「ふね」と呼ばれる圧搾装置に敷き詰めて搾ります。現在では薮田式圧搾装置という、縦型の搾り機を導入して上槽の工程を行っています。この機械の特徴は、濾布の精度が良いために木綿よりもより清澄なお酒が得られるということと、搾った後の酒粕の後始末が非常に行い易いというメリットがあります。

ろ過
 上槽の工程で搾られたお酒は、おりと呼ばれる微細なお米や麹、酵母といった不純物にあたる成分を取り除く為に、ペーパーフィルター・活性炭などを用いてろ過を行います。使用される活性炭の量は、お酒の状態に応じて調整され、大吟醸などでは活性炭は使用されません。
 この工程で、貯蔵中にお酒の品質を劣化させ、雑味の素となる様々な成分が取り除かれ、出荷の際まで安定した酒質を保つようにされます。近年、はやりの無ろ過酒はこの工程の濾過を行わないでそのまま出荷するお酒です。

火当て
 ろ過を終わったお酒はその後の出荷のときに備えて、加熱殺菌処理を施されて蔵内のタンクに貯蔵されます。この行程を火当てと呼んでいます。この火当てによって、お酒の中に万が一いるかもしれない微生物を殺菌するとともに、麹などから溶け出した様々な酵素を失活・不活性化させます。そうすることで、貯蔵中のお酒の劣化を食い止めて、安定した状態でお酒の熟成を図ることが出来るようになります。
 この火当てをせずに、生のまま出荷されるお酒が生酒と呼ばれるもので、後の出荷の際に加熱処理を施すタイプのものは、生貯蔵酒と呼ばれます。

貯蔵
 火当てを終えたお酒は、貯蔵タンクの中でゆっくりと熟成してゆきます。この貯蔵の期間は主に半年から一年間で、前年度のお酒が無くなる頃から次第に新しいお酒に切り替えて行きます。
 長陽福娘では、大吟醸・純米吟醸・吟醸酒などの高級酒は出荷の際に使われる瓶に詰めた状態で、火当て・熟成を行う「瓶貯蔵」という方法をとっています。

ろ過
 貯蔵を終えたお酒は、出荷の前にもう一度濾過を行います。この行程では貯蔵中に起こった様々なお酒の変化によってもたらされた、雑味の成分ややや濃くなった色の成分などを取り除くために活性炭を用いた濾過が行われ、その使用量は熟成度合いなどのお酒の状態によって調整されます。
 また、この時点でこれまで原酒と呼ばれる搾ったままの状態のお酒の濃度から、各製品ごとに定められた規定のアルコール度数に、仕込水と同じ水を加えて調整されます。
この加水調整を行わないお酒は、原酒として商品化されます。

壜詰め
 最後の濾過を終えたお酒は、商品ごとに定められた化粧瓶にそれぞれ詰めあげられます。この際にもう一度加熱処理が施され、熱酒がそのまま瓶に詰められます。こうすることで瓶詰めの際の微生物の混入を防ぎ、出荷後の安全なお酒の流通を可能にしています。
 火当てを行ったお酒でこの瓶詰めの際の加熱殺菌を行わないお酒は、「生詰め」または「冷やおろし」と呼ばれます。